心・技・体ともに絶好調の時は、これらの天使は、
人には見えないようだ。
逆に、絶望的な気分におちている時には、
この天使が一日に一人だけさしつかわされていることに、
よく気づく。
こんな事がないだろうか。
暗い気持ちになって、冗談でも”今自殺したら”
などと考えている時に、
とんでもない友人から電話がかかってくる。
あるいは、ふと開いた画集かなにかの一葉によって
救われるような事が。
それはその日の天使なのである。
—
中島らも『その日の天使』から一部抜粋